カナダの移民コンサルタントってどんな資格?

カナダ、カナダ国外あわせて2017年9月現在約4300人のカナダ移民コンサルタント協会(ICCRC – Immigration Consultants of Canada Regulatory Council)所属の有資格移民コンサルタント (RCIC – Regulated Canadian Immigration Consultant) が在籍しています。近年、カナダの積極的な移民受け入れの政策により、移民申請が増加し、それに伴い有資格コンサルタントの数も増えていると考えられます。バンクーバーやトロントなど大都市には、日本人の移民コンサルタントの方も活躍されています。私も、経験豊富な日本人コンサルタントのサイトや記事で勉強させてもらうこともよくあります。

移民コンサルタントの資格について、日本語で書かれている記事はあまり見かけることがなかったので、今回自分で書いてみることにしました。

移民コンサルタントの資格を取るために必要なこと

2017年1 月時点でのICCRC規定による資格取得必須要件は以下の通りでした。

• 18歳以上のカナダ国籍、または永住権保持者

• ICCRC認可教育機関においてImmigration Practitioner Program を卒業
(教育機関により入学選考基準、コース期間、フルタイムかパートタイム、通学か通信制など選択肢が異なります。)

• 英語かフランス語の試験で最低限必要なスコアを達成
(最も一般的なIELTS Academicの場合 L:7.5 R:6.5 W:6.5 S:6.5 以上)

• 無犯罪証明(18歳以降に6ヶ月以上居住した全ての国より)
• 善良な人格と善行の宣誓書
• 債務不履行や破産状態でないこと

• ICCRC主催の資格試験(シナリオベース3時間100問、選択式)
この試験の合格後、さらに事業者登録(自営の場合)または法人登録の書類等を提出、ICCRCへ年会費の支払いを完了してライセンスが有効となり、晴れて移民コンサルタントと名乗り、業務を行うことが許されます。

2011年のICCRC発足以降、資格取得要件は、言語テストの必要スコアの上昇などのマイナーな変更は何度かあったようですが、基本の形は大きくは変わっていないようです。
※2011年以前、移民コンサルタントは旧統制団体によって管理、統括されていました。当時の資格要件等のデータはありません。

移民コンサルタントは国家資格なの?

これは単刀直入に答えることが少し難しい質問です。なぜなら、日本語の「国家資格(または国家試験)」という言葉を、カナダの似たような文脈に、そのまま当てはめることができないからです。

まずカナダでは、職業関連資格は基本的に州政府が管轄しています。このため、日本では国家資格に相当する資格が、日本と比べて少なくなります。弁護士や医療専門職なども州によって規制されていますので、それらの資格も州の統制機関を通じて取得することになります。つまりこれらも国家資格ではなく“州資格”ということになります。

しかし、国が単独で管轄をするセクターもあります。郵政事業などはいい例ですが、資格を伴う職業に関連した分野といえば、航空業界が挙げられます。パイロットのライセンスは、カナダ政府の運輸省にあたる Transport Canadaにより発行、管理されています。よって、これは日本語の「国家資格」により近いと言えるかと思います。

移民分野に関しては、国と州が連帯して管轄をすることと取り決められています。とはいえ、大部分の事柄は国(連邦政府)によって決定されますが、各州指名プログラム (PNP)では、それぞれの州独自の移民プログラムが州政府によって管理、運営されるなど、州に決定権のある事項もあります。(州政府プログラムで移民申請した場合もセキュリティーチェックなど、最終的に連邦政府が関与します)

移民コンサルタントの資格については、Immigration Consultants of Canada Regulatory Council (ICCRC) という民間の非営利組織により、管理されています。これは国が、移民・難民保護法 (Immigration and Refugee Protection Act) の91条で、移民・難民・市民権大臣(The Minister of Immigration, Refugee, and Citizenship) に、法的代理人の統括団体を任命できる力を与えているからです。国(連邦政府)→移民・難民保護法→移民・難民・市民権大臣→ICCRC→公認移民コンサルタント、という権威の順に任命が行われています。

このように連邦法での法的裏付けがあることや、現在ICCRCがこの種の任命を受けている国内唯一の団体であることから、移民コンサルタントの資格が「国家資格」的な性格があることも確かです。

次回は移民コンサルタントの心臓部とも言える、移民・難民保護法91条を分析したいと思います。