
エクスプレスエントリーとは
2015年1月1日から導入された、以下の連邦技能移民プログラムを管理するシステムです。導入後何度か細かいルール変更がありましたが、まずは基本的なシステムの概要について見ていきたいと思います。
エクスプレスエントリー(以下、EE)は、特定の移民プログラムの名称ではなく、EE導入以前から存在した3種類の連邦移民プログラム、および一部の州指名プログラムの申請者を、一括してオンラインで管理するシステム、またそのプロセスの名称です。EE申請が必須となるのは以下のプログラムです。
- フェデラルスキルドワーカー (Federal Skilled Worker – FSW)
- フェデラルスキルドトレード (Federal Skilled Trades – FST)
- カナディアンエクスペリエンスクラス (Canadian Experience Class – CEC)
また、各州・準州は州指名プログラム(Provincial Nominee Program – PNP)を通じてエクスプレスエントリープールからその地域の雇用市場に合った候補者を募ることができます。
Express Entry 2段階のステップ
Step1
まず申請希望者はエクスプレスエントリーの以下の情報を含むプロフィールを登録します。
- スキル
- 学歴
- 言語能力
- 職歴
- その他の詳細
プロフィールの作成は開始から60日以内に完了をする必要があります。
登録されたプロフィールに基づき、申請者がFSW, FST, CECのいずれかの申請要件を満たしている場合、その申請者は候補者プール(pool of candidates)に加わります。
この時点で雇用主からのジョブオファーがない候補者は、ジョブバンク(カナダ政府運営の求人サイト)にアカウントを作成し、求職の機会を探ることができます。EE導入当初はジョブオファーのない候補者はジョブバンクへの登録が必須でしたが、これは現在任意となっています。
また、リクルーターやその他の求人掲示板等を使って、雇用主を見つけるための求職活動を行うことも可能です。
ジョブオファーが有効なものとして認められる(ポイントを獲得する)ためには、多くの場合雇用主がLMIA – Labour Market Impact Assessmentを取得していなければなりません。
候補者プールへ加わっても、必ずしも永住権申請への招待(ITA-Invitation to Apply)を受け取れるわけではありません。
候補者プールから選ばれるためには、定期的にITAが送られる時に、プール内の候補者の中でのランキングシステム(CRS – Comprehensive Ranking System)の上位に位置していなければなりません。
Step 2
月に2〜4回程度のinvitation roundで、候補者プール内のCRSポイントの上位ランキング(高スコア取得者)から順に、毎回異なるカットオフスコア(足切り点)までの候補者にITAが送られます。
CRSポイントは先のプロフィールの項目に基いて計算されます。
また、以下の要素によってもポイントが加算されます。
- カナダでの学位(degree, diploma, certificate)の有無
- 有効なジョブオファー
- 州政府からのノミネーション
ITAを受け取った候補者は90日以内にオンラインで永住権の申請を行う必要があります。
移民局は、不備がなく全ての書類が揃った申請の場合、6ヶ月以内に審査を終えると発表しています。
候補者プールには、前述の連邦プログラムの申請資格(FSW, FST, CEC)を満たす限り、最大12ヶ月プロフィールを維持できます。プロフィールの内容に変更があった場合はアップデートが可能です。
この12ヶ月の間にITAが受け取れなかった候補者のプロフィールは自動で消去されますが、その後新たにプロフィールを作成することは可能です。その時点で申請資格を満たしていれば、再度候補者プールに加わることができます。