
こんなプロフィールの方が、エクスプレス・エントリー経由のフェデラル・スキルドワーカー・プログラムで、ITA (Invitation to Apply)を受け取るための決め手となる要素は何でしょうか。
答えはもちろん、言語能力 = 多くの場合IELTSスコア、ですね。
まずはそれ以外のそれぞれの項目を見ていきます。
ファクター1 – 年齢
エクスプレス・エントリーのCRS (Comprehensive Ranking System)において、年齢で得られるポイントは20〜29歳の110ポイント(独身の申請者の場合)が最高で、それ以降1歳年齢が上がる毎に得られるポイントが下がっていきます。
つまり、この点に限って言えば、20代で申請を行うことが最も有利となります。
ファクター2 – 学歴
さて、次に四大卒=Bachelor’s degree(ECA – 学歴査定結果が異なる可能性もあります)という学歴は、大学進学率の高い日本人にはごく一般的であるため、これを例にとります。ポイントは120ポイントとなります。
ファクター3 – 職歴
職歴については、日本などカナダ国外で得たもの = foreign work experience は「1年以上3年未満」と「3年以上」が考慮されます。ただし、この項目は単独では考慮されず、かならず言語能力とあわせた形で、skill transferability のファクターで加点されます。今回申請者は3年以上の職歴があると仮定します。
IELTSスコア
言語能力のファクターで最高のスコアを取るために必要なIELTSスコアは以下の通りです。
Speaking – 7.5, Listening – 8.5, Reading – 8.0, Writing – 7.5
この申請者が仮にこのスコアを取得できた場合
言語能力ファクター単独での得点が136点
Skill Transferabilityのファクターで「言語+学歴」が25点、「言語+外国での職歴」が50点となり、CRSスコアの合計は441ポイントとなります。
ITAは可能?
441点は手堅いスコアとは言い難いですが、エクスプレス・エントリーでプロフィールを作成し、候補者プールでITAを待機しておくべきスコアであると言えます。
しかし、このレベルのIELTSスコアは多くの方にとってやや高いハードルではないでしょうか。逆に言うと、言語ファクターで最高スコアが獲得できても、カナダでの学歴、職歴がない申請者はこのスコア止まりになってしまうということです。
カナダの学歴、職歴のない申請者が得点できる要素は他に
- 修士号、博士号 (master’s degree, doctorate)
- 第二公式言語能力
などがあります。先の申請者が修士号を持っている場合、ポイントは一気にブーストし481点となり、ITA安全圏に入ります。
これがカナダでのmaster’s degreeとなるとさらに得点アップに繋がります。
以上、20代でカナダ移住をお考えの方は参考にしてみてください。