ケベック州への定住意思について

法律で意思を統制できる?

もちろんそれはできません。そのため、”intent to reside” はあくまで自己申告となります。ただし、永住権取得後は他州に住もうという意図を隠してこの申告を行うことは、虚偽申告となるため注意が必要です。カナダ政府への永住権申請時に、ケベック州移民プログラムからの申請者は、ケベック州に住む意思についての申告書にサインをします。

この時点で「永住意思」は真意である必要があります。例えば、永住前に他州で仕事が決まっている、住居を購入したなどの事実は「ケベック州に住む意思」と矛盾してしまいます。申請者の配偶者や子供が、すでに他州で生活を築いているなどの事実も、移民局にはred-flagと判断される可能性が高まることになります。

 

永住権取得後の制約は?

それでは、申請者が永住権を取得後、永住者として他州に移住するにあたって、罰則などの規定があるのでしょうか。

答えはNoです。

カナダ人権憲章 (Canadian Charter of Rights and Freedoms) の Mobility Rightsの項目では、以下のように規定されています。

Rights to move and gain livelihood

(2) Every citizen of Canada and every person who has the status of a permanent resident of Canada has the right

(a) to move to and take up residence in any province; and

(b) to pursue the gaining of a livelihood in any province.

Source: CONSTITUTION ACT, 1982

当初はケベック州に定住の予定で永住権を取得したとしても、その後、新たな雇用機会や家族事情など、あらゆる理由により州をまたいだ移住の選択をすることに制限はありません。

問われるのは、あくまで永住権取得前の申請者の意思です。

代理人として

「ケベック州移民プログラムを使って永住権を取得した後は、他州に住みたい」という意思を代理人に伝えられると、法律を扱う専門家としては難しい立場に置かれてしまい、そのままケベック州プログラム申請の代理人としては業務を引き受けることが難しくなってしまいます。これは虚偽申告を知った上で、それをほう助する形になってしまうためです。

そのため、他プログラムを検討していただくか、意思は変えられるものでもありますので、再考して頂き「ケベック州への定住意思」を新たに表明して頂いた後、代理人業務を承ることになります。

以上、これからケベック州移民プログラムを申請される方の「ケベック州への定住意思」について、理解の助けになればと思います。

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